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ワーゲンバスは、
元が取れない。

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一枚の写真は、28.2万回見られた。それでも、元が取れたとは思わない。セルモーターの修理には12万円かかった。それでも、損をしたとも思わない。

今、私は息子とジョージアにいる。ワーゲンバスは日本で留守番中だ。ところが先月、その留守番中の車の「どこか」が壊れて動かなくなった。その「どこか」が何なのかは分からない。馴染みの車屋さんに電話をし、保険で手配したレッカーで運んでもらった。消耗部品の交換が生じ、ご請求額は12万円です、とWhatsAppに連絡がきた。あーぁ。

私のワーゲンバスは1978年式、今年で48歳になる。古い車は手がかかると聞いてはいたけれど、まあ本当に手がかかる。経済的には、ずいぶん非効率な持ち物だ。それでも手放したいと思ったことはない。80歳のおばあちゃんになっても、体が許すなら、あの大きなハンドルを握っていたい。

古いものなら何でも大切に使いたい、という立派な思想があるわけではない。単純に、あのバスにそれだけの魅力があるのだ。以前、Instagramに写真を一枚投稿したら、28.2万回見られた。リールではない。ただ写真を一枚載せただけである。

そのとき、この車を主役にしておけば、Instagramを伸ばすのはかなりカンタンなのだと分かった。あの子が写っているだけで、私のセンスまで説明不要で伝えてくれる。かなり優秀な営業担当である。

でも、私は「ワーゲンバスの人」にはなりたくない。ワーゲンバスは私の所有物であって、私自身ではない。私が書いたものより車の方が見られるのは、まあ仕方がない。見た目の強さが違いすぎる。ただ、それを分かったうえで毎回主役にするのは、少し違う。バズること自体が、私にとってそれほど本質的ではなかったのだと思う。

ワーゲンバスは、経済面だけでいえば元が取れない。これからもあちこち壊れ、そのたびに修理代がかかる。それでも、お金以外のところではずいぶん回収している気もする。人と出会ったり、景色が増えたり、乗っているだけで自分の機嫌がよくなったり。ただ、それを金額に直すことはできない。

何を足して、何を引けば、元が取れたことになるのだろう。たぶん、この先も答えは出ない。80歳の私がまだあのバスに乗っていたとしても、その頃にはまた別の部品が壊れている気がする。そして私はきっと、あーぁ、と言いながら修理を頼むのだと思う。